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”「またね」と言える世界 上田暁成 師 2022/12/26(月) 

「またね」と言える世界 上田暁成 師!動画はこちらです(ユーチューブにリンクしています)

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「またね」と言える世界上田暁成さん

浄土真宗本願寺派  築地本願寺 伝道企画部 上田暁成 師  本日はようこそのご参拝でございます。築地本願寺の上田と申します。 本日は阿弥陀様のお心をみなさまと共々に味わっていけたらって思うことでございます。 阿弥陀様という如来様はこちらにご安置されて居る 如来様でありますけれども、どんな如来様かって申せば この私たちに「また出会っていける場所」を用意してくださった 如来様です。この私が生まれるはるか前から、この私のことを思うて浄土という世界を用意したんだって言うんです。

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そうお聞かせにあずかるばかりなんでありますけれども、 私いつも思うんです。「出会って行く」ということと、「別れていく」ということの数自健康は同じなんだと思うんです。 例えば、入学式というものがあるんであれば、卒業式というものがあるんだと思うんですよ。 また入社式があれば退社しきってあると思うんです。 出会う数と別れる数ってきっと同じなんだと思うんです。 でもこの「私」という存在は、どうしてか「別れ」の方に重きをおいてしまうんだってそう思うんです。

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なんでこんなことを申し上げるかというと、 実はその姿を私、母のから学んだんですよ。 母の後ろ姿をね通して、ちょっと別れに重きをおいてしまうん だって思うたんです。 今から3年前の話なんですけれどもね、 私実は実家が大阪の方になりまして、 よく休みの日はお手伝いに帰るんです。 で、その日もちょうど帰っておったんですけれどもね、 通夜、葬儀が終わって「じゃあ今から東京に戻ってこようか」って思っておった時なんですよ。 急にですよ、急に家のピンポンが鳴ったんです。 で夕方だったんですけれどもね、母と一緒に こんな時間に誰だろうかって言いながら玄関に行きますとね、黒いワンボックスカーが1台停まっておったんです。

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後部座席からガラガラってひとりの女性の方が降りてきたんですよ。 で降りてきた瞬間に母がね「あ〇〇さん」って言うたんです。 その方は私もよく挨拶をしてたんです 母がちっちゃい時からお世話になっていた方だったんです 開口一番こう言わはったんですよ。 「上田さん」「私今日別れを告げに来ました」って おっしゃったんです。 ようようお話を聞いてみますと、大阪北部地震で家がやられてしまったって、それを直そうにもその手だてがないんだって、 それを機に息子娘が一緒に暮らさないかっていうてきた。

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自分でこの土地を守っていくつもりだった。 でも今回の地震でその心がポッキリ折れたんだって だから今日娘息子がいるところに行こうって思う でも最後に誰かに挨拶をしたくて 先にも後にも思い浮かんだのが、上田さんの顔やったの その想いをちょっと、告げさせてもらいますって。それがこんな内容やったんです。 今までお世話になりました。私は40年と数年間この土地で生きてまいりました。思い返せば昨日のことのように思い出します 毎年上田さんの家から杵と臼を借りては、餅つき大会をしたことを思い出します。 でももう20年以上その付き合いもなくなってまいりました。 私の健康は松葉杖なくちゃ歩けん健康になってしまいました

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ずーっとこの土地で生きていたかった、 でもそういうわけにはいかないから、 私今日この土地を離れていきますって。 お育ていただきありがとうございました。 でもね、でも上田さんこれで終わりじゃないよ。 私、次の場所でも頑張るから、どうか見といてねって そんな内容やったんです。 でも急に言われたもんですからね、 あぁ、その方の手を取ってね、そんなこと言わんといてよって こんなに手ちっちゃくなってって、そのしわくちゃになった手をね 額に押し当ててはね、背中を丸める母の姿をね、 私後ろから見ることしかできなかったんでありますけれども。 この話ようよう聞かせてもらいますと、 決して今生の別れの話じゃないんですよ。 交通機関を使えば簡単にね着く場所にあるんです。

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でもじゃあなぜこの日常生活の中で、この別れの方にね 重きをおいてしまうか、そうですよ、やっぱりどこかで思ってしまうんです 年齢を重ねれば重ねるほどに、状況が悪化すればするほどに、 もう会えないんじゃないかって、ちょっと思ってしまうんです。 でもこの場所を離れて行く方が、旅立つ方が先立っていく方が、 「これで終わりじゃないよ」って示してくださるのであればね やっぱり残された側は嬉しいですよ、勇気づけられていきます。 「これで終わりじゃない」って思うていけるんです。 浄土真宗というこの生き方、また 阿弥陀様の願いに生きていくっていうことは、きっとこういうことだと思うんです。 「これで終わりじゃないんだ」っていう人生を共に歩んでいけるような気がいたします。

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その最後どんな命で終わっていこうとも、決して「さらば」では終わらせないって。 「またね」って「また出会っていきましょうね」って言うていけるのがこの浄土真宗の教えだって私は思うんです。 昨今、会いたくても会えないまんまに生命が終わっていくような、そんな厳しいご縁の中で、今私たち実際に生きておるんです。 その中だからこそ、この私たちが共々にね「また出会って生きる場所」を仰ぐ人生ともどもに歩ませていただければなって思うことでございます。 ちょうどお時間参りました。これにてご法話とさせていただきます。 なんまんだぶ、なんまんだぶ、なんまんだぶ。 浄土真宗本願寺派  築地本願寺 伝道企画部 上田暁成 師 

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ここからは運営者の感想です
如何ですか、私は無宗教ですが今回の浄土真宗の生き方と言うものを、この動画で教えて頂きました。 最後のところで言われている「昨今、会いたくても会えないまんまに生命が終わっていくような、そんな厳しいご縁の中で、今私たち実際に生きておるんです。 その中だからこそ、この私たちが共々にね「また出会って生きる場所」を仰ぐ人生ともどもに歩ませていただければなって思うことでございます」 この部分が特に良いと思います。そして浄土真宗の教えって「またね」って「また出会っていきましょうね」と考えられるのがいいなぁと、こころから思いました。 素直にこの考えを受け入れれば、こころが少し救われるかなと思いました。あなたは如何ですか?

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