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(5)うつ病の自分との向き合い方(4)全てを失ったのなら(3)悲しみを受け止め乗り越える方法(2)不条理への怒りや恨みを手放す方法はありますか?(1)愛する人に先立たれて「無気力」になってしまったら! 

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愛する人に先立たれて「無気力」になってしまったら!

70歳の方からの相談に大愚和尚の説法が素晴らしい!

大愚和尚へのご相談は、70歳の方から妻を亡くして、無気力で生きる力を無くしてしまった方からの相談です。 大愚和尚の説法は、この方に対して「死に」対しての免疫があなたには備わっていなので、かなりの衝撃があるのですと、言っています。
詳しくはユーチューブ動画をご覧下さい。大愚和尚のユーチューブ動画は下記のURLからご覧下さい!
【動画】愛する人に先立たれて「無気力」になってしまったら!

     

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ユーチューブ動画の音声データを文字起こしでテキスト化しましたので、下記に掲載します。文字起こしデータの正確性は保証するものでは ありませんが、可能な限り元音声に忠実に文字起こししておりすが、万一テキスト化データに不一致がありましたらご容赦下さい。
「ここより文字起こしデータ」
【愛する人に先立たれて「無気力」になってしまったら!】 文字起こし制作者  運営者 深井

ペンネームマックさん70代の男性からいただいたお悩みです 二年前に妻が死に寂しく孤独感などから精神的にも体調も おかしくなり何もやる気が起きません。 精神科に通院したけれど効果がないのでやめました。 仕方なく昼間布団に横たわっています。自炊の食事もまずく、 やっと同じようなものを、二食無理やり口にしています。 何もすることがなく、何かしないと動かないとと思うのですが何もしたいことが 思い浮かびません。

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動かないし、じっと家に閉じこもっているので高齢もあって体調も悪くなっていきます。 高血圧、老眼、虫歯、不眠、下痢などなど、なんとかこの状況から少しでも脱していき たく子どもたち、近所友人、弟などに三年間相談を投げかけますが、やってみよう と思える答えを得られません。 友人から一つの策としてホームに入るか、子どもたちの所に行くなども提示されますが、 全くその気にはなりません答えになりません。 なんとかしないとと思うが、どうしたらいいのかいくら考えても答えが出ない。 二度と妻に会えない、いくら我慢しても会えないとの気持ちからか、過去の記憶ばかりが思い出され 二時間ごとに目覚めたときは同じような夢ばかり見ます。 夢が過度なので寝るのも怖いです。

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三年前までは元気で妻と車中泊で全国を旅していたのに 酒も、温泉も、野菜作りも町内会役員など明るく活動していた のにどれもやりたくなくすべて停止です。 あんなに好きだった酒もまったく飲めません。人生を教を有して 生活できる人妻がいなくなって孤独感が襲いかかってきます。 家事の多くを妻がしていた生活が激変したことも原因です。 こちらの悩みや生活環境の状況を少しでも 表現したくあれこれ記述していますが書ききれません。 とにかく精神的に落ち込んで行き詰っています。 ここからなんとか脱して一人で生活やっていけるようになりたいが、 どうしたらよいのかがわからないのです。 大愚和尚のチャンネルを友人から紹介されたので、まず メールを送ってみました。よろしく御教授下さい。

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マックさんのような年齢層の方々からお手紙やら メールやらをたくさんいただきます。 男性のお悩みの多くがマックさんのような奥様を亡く されてという、程度の差はあれ無気力になったり、 もう生きている意味がないと感じたり、すべてが色あせて 見えたり、そのような男性が非常に多いですね。 やっぱり奥様が素敵な方だったんですね。 本当に良い奥様だったんですね。仏教の教えでお釈迦さまは この生きるということの基本は苦であるとおっしゃいました。

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パーリ語という古いインドの言葉で苦のことをdukkha(苦:ドゥッカ)と言うんですけれども、 人生をドゥッカであると、四苦八苦という言葉がありますけれども 四苦というのは生きること、老いること、病に罹ること、そして死ぬことです。 四苦八苦の八苦は何かというと、今の生老病死の四苦に加えて 会いたい人に会えないこと、そして会いたくない人に会わなければいけないこと、 欲しい物が欲しい状況が手に入らないこと、そして私たちのこの肉体、精神、考え、思い、それらが やはり自分の思うようにはならない様々な苦しみを与えてくるということ 歯が痛い、腰が痛い、目が見えない、それら全部ひっくるめて八苦なんですね

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さてこの四苦八苦というものが人生の基本であるということ、 これが仏陀の教えなんです。 一方で私たちは人生というのはね生まれたら、ちょっと大きくなって きたら学校に行き、そして会社に入り、家庭を作り、そして子供を作り 家と良い車と良い食べ物と行ったことがないところへの旅行と 愛する人と幸せな家庭を築くこれが人生の終着駅だと思っているわけですね ところが仏教ではそうではないと言う、人生は人生の本質は それらすべてドゥッカ(苦)なんです。

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さてマックさん、それだけ愛する奥さんと酒を飲み、そして全国を いろんなところへ温泉行ったり、食事を楽しんだり、奥さんとそれだけいい 時間を過ごされたらそれがとてもいい時間であったからこそ それが突然なくなってしまった後には苦しみが何倍にもなってくるわけですね。 マックさん羨ましいくらいのすてきな奥さんがいらっしゃったんだと思うんです。 さて老いるということはこういう事なんですね、生きるという事はこういうこと です。マックさんもそれなりに学校出て、会社入って社会人としてね 七十歳まで生きてこられた。けれども七十歳にしてようやっとこれまでいろんなことを 勉強してきたはずなのに、人生とは何かということを散々勉強してきたはずなのに、 ここへきてようやく生きることの現実、命の現実、生老病死という現実に今 ようやっと突き当られたわけですね。

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さて、人生にとって人生って何だろうって、改めて奥さんの事を思うと、そして奥さんと 過ごした日々のことを思うとねマックさん思われると思うんですよ今になって、 人生って何なんだって、生きるって何なんだ あの奥さんとの時間は何だったんだって、実はこの私たちの人生の中で確かなことって いうのはないんですよ。いや厳密に言えば一個しかないんですよ、一個しかない 一個っていうのは何かと言ったら死ぬことです。私たちの人生は死ぬこと以外 保証されていることは何一つありません。

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よくよく考えてみたら実は私たちはどれだけ給料をもらえるか、どんな家に住めるのか どんな職業に就けるのか、そんなこと何の確約もないじゃないですか。だけど 確実に言えることは、そのオギャーと生まれたらそれが五歳十歳まで生きるのか、 きんさん、ぎんさん見たい百歳まで生きるかそれは分かりませんけれども、 生まれた瞬間から死ぬということだけは、確実に約束されて生きてきたわけです。

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だけれどもこの単純な現実事実、命の真実を見ようともしなかった、この七十歳になって奥さんが 亡くなるまで見ようともしなかった。だからマックさんには死ぬということに関しての 免疫がゼロなんです。さて免疫ゼロの状態でショックを受けたらどうなるか、 一発も撃たれたたことがないボディにボディーブローをもらったらどうなるか、 しかも強烈な奥さんの死という強烈なボディブローをもらったらどうなるか マックさんのような症状になるんです。心だけでない、体も何にもやる気がしなく なっちゃう。

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さて、まあ私も寺の住職をしてますからお檀家さんも含めて、今マックさんのような方々が お寺にやっぱり来られるわけですね。実は今ちょっとコロナのことがあってですね あの中止をしていますけれども、この福厳寺で満腹庵という食事所を実はオープンしたんですよ。 でまぁコロナのようなことがあってですね、あの今は中止してますけれども、この満腹庵はですね はその食事をいただけるわけなんですけれども、でもその食事は一般の飲食店と違って 好きなものをメニューの中からオーダーするってことができないんです。

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満腹庵で出されたものをそのままありがたく食べるっていうそういう 食事処なんですね。なんでこの食事処を私がやろうと思ったのかといったら 実はマックさんのような奥様を亡くされたご主人の話がきっかけでした。 実は、その奥様はですねやっぱり病気になって亡くなられたんですけども、亡くなられる前 から当然お寺と関わりがあったんですね。そこで奥様が亡くなられる前にですね 病気になってもなくなるということで、この福厳寺でねもう墓を買ってそして 葬儀もしたわけですけれども、この奥様がですね亡くなる最期の最期まで心配して いたことがあるんです。それは何かといったらずーっと奥さんが料理を作ってきたん ですよ。だから自分が死んだあとこの人は何にも出来ないんです。

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自分が死んだ後にね、もちろん今の時代ですからコンビニ行ったて食べ物を買えますし スーパー行ったら惣菜だって売ってますし色んなものを買えるわけですね。 だけれども、やっぱりそんな食べ物ばっかり食べてたら健康も外するし身体にとっても良くない しということで、奥さんはうちの主人は何もできないからということで、自分が死んだ後に その健康と食事のことをずっと心配なさって亡くなっていったんです。 なのでその話を聞いてね、であれば奥さんのお母さんの料理を提供しようと いうことで、このまあ福厳寺の職員でもあるし、このお寺の僧侶でもある女性の 私の弟子がいるんですけども、ええまあその人と話してね、もともと彼女はあのを 岐阜県の飛騨の白川というねその合掌造りの里がありますけれどもそこの旅館の 娘だったんです。

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なのでそうやって料理を作って人に振る舞うということ小さい時からそこに 親しんできた人だったのでね、なのでそうやって一人者になってしまった男性 独身者になってしまった、家族を失ってしまった人に母さんの作ったものを黙って食べ るっていう食事処やりましょう。そう言って始めたことだったんですね。 まあその奥さんを亡くされた方、まあの毎日毎日はないんですけども1週間に1回だけでしたけれども、 毎回来られて、そしてお位牌に手を合わせてお寺のね、お寺の位牌堂にある奥様のお位牌に手を合わせてお墓参り をされて、そしてそこの満腹庵で食事をして帰っていくということによってですね、 やっぱりそこに同じように一人者になってしまった人が来るわけですね、そうやって外に出てくる そうやって奥さんと関わるということをなさったわけです。

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そしてそんな方々が増えているっていう中で、今回マックさんからのお悩みというか相談のメールが届いたので 今回これを取り上げた訳なんです。マックさん処方箋です。供養というのはなぜするのか。 実は供養というのは亡くなった人のためじゃないんです。亡くなった人のためというのもありますけど、 それが全部じゃない、その大半は半分は生きている人のためです。お寺っていうのは何のためにあるのか これは仏教を学ぶということもそうですけど、 日本のお寺はお葬式仏教ですから、この愛する人を亡くした大事な家族を亡くしたっていうそういう人たちの 心のよりどころのためにあるんです。

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どうぞマックさん、それだけ素敵な奥さんであれば素敵な奥さんに共通することって何なのか、 先に自分が死んで料理もまともにできない夫を残して死んで何を奥さんが一番心配しているか、 あの料理もちゃんとできない旦那がちゃんと生きてるかどうかっていうことを奥さんは心配しているんですよ 解ります。本当に死者の霊があるかどうかとは分かりません。私も自分が死んだことないの で、だけれども一つだけ言えることがあります。それは何か、もし奥さんの意識が死後あるとしたら 奥さん死んでも死にきれんですよ。今のマックさんを見たらそうですよね。 奥さんだって出来ることならもうちょっと長生きしたかった、だけでもそれが叶わなかった。 でも自分が死んでみて旦那がどうなったか、大事な旦那さんがどうなったか、自分が食事を一生懸命作って自分が一生 懸命いい奥さんをやって来たばっかりに、自分がいなくなったら何にもできない旦那になっちゃった。

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自分の分まで生きながらえたんだから、もうちょっと頑張って生き伸びてほしいのに廃人のようになってしまっている。 奥さん死んでも死にきれんじゃないですか。 すべての先に愛する人を残していった女性にとってね素敵な奥さんにとって一番つらいことは 何かといったら旦那さんが自分で生活できなくなっちゃうってことなんです。 マックさん苦しいと思います、奥さんはもっと苦しい、そうでしょう。だってご飯作ってあげられんのですよ まだ生きているのに自分だっていきたかったのにそれが生きられなかったのに、旦那さんが ほっといたっていつか同じように死ぬのに、その残された生をちゃんと生きてない、こんな辛いことあります。 死んでから苦しみ続けなきゃいけないのですよ。

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さて、マックさん、大事な人を亡くした悲しみというのそう簡単に癒えるものじゃない。それは私もわかります。 けれどもそのために供養があるんです。そのためにお寺があるんです。どっこも行きたくなかったら 奥さんどっかの菩提寺の墓に眠っていらっしゃるんじゃないですか。どこかの お寺さんにお位牌があるんじゃないですかね、分かりませんけど。 お家に仏壇があったりするんじゃないですかね、なんでもいい般若心経でもいいお経の一つでも覚えて 仏壇の世話をする、毎朝読む、お墓参りに行く、本当に奥さんの事を思うのであれば、そこで 奥さんと話をしてみてはいかがでしょうか、奥さんと会話をしてみてはいかがでしょうか。 おそらくね、それを続けていくと何が起きるか奥さんからお叱りが聞こえてくると思いますよ。

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あんた何やってるの、あんた何やってるのと言われると思います。 どういうことって言われると思います。いいですかマックさん、マックさんももう七十歳でしょう。 ほっとい立って死ぬんですよ。ほっとい立って死ぬんですよ。 会いたいのはマックさんだけじゃない、奥さんだった会いたい、けれどもその奥さんにとってね 自分が死んだことによってマックさんが苦しんでいる。そんな苦しみないですよ。 愛する自分のご主人が苦しんでいるこんな苦しいことないです。

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死者儀礼というのは何度も何度もこの人を死んだんだと言う事を受け入れる、受け入れてあげる 奥さんが死んだことを責め続けたら奥さんかわいそうでしょう。 だって絶対に避けて通れないその運命を奥さんは死んだわけですから。死ぬってことは悪いこと で無く自然なことなんですよ。古今東西、命は誕生してからすべての命が死んできたんですよ。 ちゃんといくんです。 でもちゃんといくはずを、恨みを持って怒りを持って、そしてなんで行ったんだってって、行く はずのものなんで行ったんだって攻め続けてたら、奥さん可哀想じゃないですか。 簡単にはそのことを受けられないかもしれないですけど、肉体があるときには肉体があるときしか 奥さんに会えないでしょ。でも今は肉体がないがゆえに、いつでも奥さんのことを思った時に奥さんに逢える んです。さて、マックさんマックさんがこれからどうやって生きていくのか、そしてどう死んでいくのか もし奥さんの意識があるとしたらそれをちゃんと見ていると思います。

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さらにあってマックさんのあり方によっては奥さんも苦しんでいるということを忘れないでください。悲しいのはマックさんだけじゃ ない、苦しいのマックさんだけじゃない、何が苦しいって自分が死んだことによって自分の旦那が 苦しんでるって事が一番苦しいんですよ。それを忘れないでください。 どうぞ、仏壇に手を合わせてください。お経の一つでも覚えて話しかけてあげてください。そしてお経を読んであげてください お墓参りに行ってください。お寺に行ってちゃんと供養してください。

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それは奥さんのためでもありマックさんのためです。そのために法事があり、法要があり、お墓り、供養というシステムがあるんです。 町内会や野菜作りや酒や旅行でごまかせないんです。仏事をもってしか癒せないんです。 応援しています。

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